人間 vs 機械
会社の帰りに
「今日は終電にならなくてすみますね!」とか話しながら電車のホームへ向かっていた時のことだ。
いつものように改札をくぐってプラットホームへ向かう。プラットホームは通路から見ると下に位置するため、エスカレーターを使って移動していた。
そうしていつものようにエスカレーターを下っていたら目の前にオッサンが居た。
……オッサンなんてそこらへんにいくらでも居るのだけど、『エスカレーターを下っているおれの正面に、こちらに向かってくるオッサンが居た』
な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…。ただ言えるのは、「下りのエスカレーターを上っているけど一段も上れて居ない」ということだ。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。
つまりこういうことだ
- おっさんが下りエスカレーターを一段上る
- 二段目に上がろうとする
- その間に二段分、エスカレーターが下がる
以降1に戻る。つまりまったく進めない。
酔っ払ってるのかわからんが、辛そうな顔してうつむきながら一心不乱にエスカレーターを昇るオッサン*1。
結局おれが電車に乗って出発するころになってもエスカレーターと格闘していた。途中、声をかける人がいたっぽいけど、その声もむなしくエスカレーターとの格闘は止めなかった。
おれは、その姿を見て「あぁ、アリ地獄ってこんな感じなのかな……」と思いながら岐路につくのであった。
*1:昇れてないけど